昔の詰め物 水銀化合物 アマルガムの危険性
公開日:2018/09/21
こんにちは!
いしはた歯科クリニック院長の石幡一樹です。
今日も弱い雨が降ったり、たまに強い雨が降ったりの一日です。秋雨が今年は本当に長いです。
残暑もそれほど厳しくないですね。
昔の保険診療素材、アマルガム
今回以前頻繁に詰め物に使用されたアマルガムという金属の危険性についてです。
お口の中に、アマルガムはありませんか?
アマルガムとは「歯科用水銀アマルガム」の略で、主に虫歯治療のため、歯に充填される歯科治療材料です。
アマルガムは健康保険の適用材料として認定されており、一般的に使用されてきました。
以前に、奥歯の虫歯を治療したことがあり、その部位に銀色の詰め物がある方は、ほぼ間違いなくアマルガムだといえるでしょう。
そのように、広く普及していたアマルガムですが、70年代をピークに、近年では使用量は減少しています。
現在でも保険が適応するので、医院によっては使用される場合もあるようですが、アマルガムの安全性を疑問視する声もあがっています。
ちなみに我々は学生時代の教育でアマルガムについて軽くは習いましたが、卒後は一度も治療に使用したことはありません。
◆アマルガムには高濃度の水銀が含まれています
アマルガムは、銀・スズ・銅・亜鉛、そして水銀などが含まれる合金です。水銀が高濃度に含まれています。
アマルガムはお口の中で劣化し、腐食しやすい傾向があるため、人体に影響を及ぼすおそれがあります。
アマルガムが腐食するのは、唾液が電解液として作用するからで、その他には果物・野菜・コーヒー・お茶などの酸も、化学反応を引き起こす要因となります。
また、アマルガムは物を噛む際など摩擦が生じた時に、その熱で水銀を含んだ蒸気を発生するともいわれます。
その結果として、水銀の粒子や水銀の蒸気が体内に流出し、自覚のないままに吸収され、腎臓、肝臓、脳などに蓄積される可能性があります。
◆水銀の有害性。さまざまな症状と、胎児への影響
水銀の有害性は広く知られていますが、お口の中の水銀化合物は、全身の健康にどのような悪影響を及ぼすのでしょうか?
まず、口腔内の他の歯科材料による金属アレルギーと同じように、イオン化した水銀化合物が体内に入り、蛋白質と結合すると、それによって過剰反応が引き起こされることになります。
アトピーのような皮膚の炎症や、手のひらや足の裏などに掌蹠膿疱症という水泡状の湿疹が繰り返しあらわれたりします。
それから、蒸発した水銀の蒸気を吸い込むと、すぐに組織の中に吸収されて細胞膜を通って拡散してしまいます。
水銀は、人体に有害な物質の中でも神経毒性の強い物質です。全身にあらわれるさまざまな不快な症状、
・感覚異常
・不眠
・神経的なイライラ
・頭痛
・めまい
・アレルギー
・原因不明の痛み等
は、もしかしたらお口の中のアマルガムのせいなのかもしれません。
実際、アマルガムを除去することで症状が改善されるケースも、少なくありません。
また、子供を希望する女性や妊産婦の方にとっては、アマルガムはさらなる危険を秘めているといえます。
水銀のために妊娠しにくくなるという報告があるうえに、水銀が胎児や母乳にまで届く怖れがあるというのです。
事実、1998年4月、イギリス厚生省は妊婦にアマルガムの詰め物をしないように警告を発しました。
医療先進国のスウェーデンでも、1987年に政府が同様の発表をしています。
おそら今日の日本でもよほどの年配の先生以外はアマルガムを治療に用いることはないと思います。
身体の健康に害をもたらす可能性のある金属が入っていたら速やかに除去することをお勧めします。
上記にアマルガムの危険性についてまとめました。気になる方は当院に是非ご相談下さいね。
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